採用選考の短期化!そんなに早く決めて大丈夫?

採用面接
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会社で採用活動をしているといろいろと思うところが出てきます。今日は採用選考の短期化についてお話しします。既に転職活動をしている方やこれから始める方は是非考えてみてください。

採用選考回数の現状

近年の採用市場は空前の売り手市場になっています。求人倍率は1.8倍とバブル期並みの値をたたき出しており、ここ数年は右肩上がりです。当然、求職者より求人が多いわけですから人の奪い合いです。ブランド力、高い給与、突出した福利厚生などがないとなかなか人は集まりません。

その為、各社いろいろな工夫をして採用活動を行っています。その中の工夫の一つが採用選考の短期化です。

人はどうしても先に内定が出された企業に対して、印象が良くなる傾向にあります。また、転職市場では、精神的安定を得るために基本的に早く転職先を決めてしまいたいという気持ちもありますから、条件が対して変わらないのであれば、早く内定を出した方が有利に働きます。

選考回数を少なくして、内定出しを早くする企業続出しています。

選考回数はどんどん少なくなっている

採用選考の短期化とは、筆記試験や面接の回数が少なくなってきているということです。皆さんは選考回数はどれくらいを想像するでしょうか。僕と同じ30代の方であれば、新卒のころを思い出し、以下のようなイメージをされるのではないでしょうか。

書類選考 → 筆記試験 → 一次面接 → 二次面接 → 役員面接(最終面接)

大体、5ステップくらいは想像されるかと思います。今の時代、これでは採用できません。人気のある大手企業でもここまで選考ステップを踏む企業はそうそうありません。特に人気企業でもない限り、筆記試験を行う企業はほとんどありません。めんどくさい印象を持たれて避けられるからです。

以下のような選考フローが多くなっています。

書類選考 → 一次面接 → 役員面接(最終面接)

3ステップで採用が決まります。

選考回数はどれくらい?

上記は例として3ステップを上げましたが、就職エージェントの人に話を聞くデータは取れているわけではないが、面接回数は所感として以下のような割合になるそうです。

  • 1回 5%
  • 1回 ~ 2回 10%
  • 2回 50%
  • 2回 ~ 3回 30%
  • 3回以上 5%

面接2回以下が60%以上を占めているということです。書類選考を行わないところは、あまりありませんので、選考ステップとしてはやはり3ステップが基準になります。

選考短期化によるメリット

転職者側

選考が回数が少ないと、楽です。緊張する面接を何度も行うことはストレスになりますから、精神的な負担は和らぎます。

また、早く内定を出してくれるので、スピーディに転職を済ませたい人には最適です。

企業側

採用のかける工数が少なく済むので、単純なコストカットになります。

早期の内定出しが、動機づけに繋がるため、心理的優位性を高められます。

選考短期化のデメリット

僕はどちらの側にしても、デメリットの方が大きいと感じています。そのデメリットは以下です。

ミスマッチの可能性が高まる

これは深刻な問題です。そもそも転職の採用は、新卒採用と違い、会社説明会などが行われるところは稀です。

それは、当然社会を経験しており、企業分析をすることが自己責任であることと、社会の理不尽さをある程度分かっているので、多少のミスマッチは織り込み済みでしょという暗黙の了解により成り立っているからです。

しかし、ここまで短期化が進むと、仕事についてよく理解していない、会社の社風もわからない、となっても当然と言えます。決め手となるのは、給与等の条件と福利厚生、人事や面接官の印象ということになってしまいます。これでは、正確な判断ができるとは言えません。

以下の記事でも、選考中には職務内容を確認するようにと書いていますが、内定後に確認する場合「分かってなかったの?」と思われることになり、入社後の評価に大きく影響する可能性が高いです。

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正常な判断ができない状況で就職を決めて上手くいくことは稀です。早期退職に繋がるリスクは高くなります。

転職者が選考短期化に対応するには

デメリットであるミスマッチをなくすためには、少ない接点の中で、質問しまくることです。気になったことは臆せず聞いてください。最悪、内定後に確認することもできます。最終的な判断は企業ではなく、転職者が持つことになりますので、その間に選考中では聞きづらかったこと含めて質問してください。

ただ、「選考中には質問しなかったくせにこいつ!!」と思われないためにも、面接や質問できる機会に積極的に質問することです。単純に、興味を持たれていることは採用担当としてもうれしくなりますし、めんどくさい人の方が印象に残るし、入社した後も気になります。

その中で、ここは違うなと思った企業は、違うんです。どんなに有名な企業でも違うと思ったら、入るべきではないです。多少の歩み寄りや妥協は必要ですが、引っ掛かりは極力残すべきではありません。

後は、選考回数が多い企業を避けないことです。

選考回数が多い理由としては、2つあります。

  • 企業体質が古く、経営層が選考短期化に理解がない
  • ミスマッチを防ぐために、慎重になっている。

上は論外ですが、下の企業は多くあります。エージェントを使って紹介で採用する場合、紹介料として年収の35%を持っていかれるので、慎重にならざるを得ません。

また、たとえナビサイトに掲載していたとしても4週間で100万近い金額がかかりますし、早期退職となると、その人のかけた投資も回収できず、採用もやり直しで莫大なロスが生まれます。だからこそ、人を採用するときはある程度時間をかけるべきというのが僕の考えです。

その方がお互いのためになります。選考回数だけで避けたり、早く内定が決まったからそこに決めるといったことは非常にもったいないです。

是非、しっかり考え、腰を据えて就職活動を行ってください。

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