超売り手の採用市場。結果を出すためにできる事!

超売り手の採用市場人事担当
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先日、仕事で新卒採用担当者向けセミナーに参加してきました。今や新卒の求人倍率は1.78倍となっており、空前の超売り手市場です。だいたい1.6倍を超えると売り手市場と言われます。

2015年卒学生から1.6倍を超え続けており、企業側は目標人数を採用することが難しい業況が続いています。

この採用難により、これまで単純にナビサイトに登録して、学生のエントリーを待つだけの採用手法が見直され、様々なサービスが生まれるとともに、独自性の高い採用手法も生み出されてきています。

参加したセミナーでは、ユニークな採用方法を生み出してきた元三幸製菓(株)人事責任者である杉浦二郎氏(現(株)モザイクワーク代表取締役)が登壇し、事例を紹介していましたので、紹介します。

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三幸製菓の採用事例

知らなかったが、三幸製菓の採用事例は独創性の高さから、様々なメディアで紹介されている。

また、元々採用難が続いていた三幸製菓が現在の独自採用方法にたどり着き、成功を収めるまでの様子はダイヤモンドオンラインで連載されている。

「負け組企業」の採用戦略 | ダイヤモンド・オンライン
ダイヤモンド・オンラインはダイヤモンド社が提供するグローバルなビジネスメディアです。ビジネスパーソンに必要な経営・戦略、経済、金融、国際の情報をはじめ...

かなり参考になるので、採用担当者は読んでおいた方が良い。学生であっても、企業側がどういうことを求めているのか、どんな選考があるのかを探るためにも、一度は目を通しておいた方が良い。

今回のセミナーで紹介されたのは、

日本一短いES × 35の質問 × カフェテリア採用

選考プロセスは

  1. どうしようもない事の確認
  2. 連絡先(メールアドレスのみ)
  3. 適性+スキル1
  4. スキル2+個人の情報(氏名等)
  5. 経営とのフィット
  6. ロケーション確認(新潟)
  7. 志望動機(企業理解)

2の連絡先(メールアドレスのみ)が日本一短いESで、エントリーシートの内容がメールアドレス入力のみである。

そんなのでいいの?と思ってしまう。

ただ、その前にどうしようもない事、絶対に外せない要件として、「おせんべいが好きか」「新潟で働けるか」ということを問いている。確かに、これがダメだったら、なんで受けに来たの?ってなる。

1~3までは10~15分ほどで終わるそうだ。スピーディー!!

ESの後は、35の質問で適性検査(3にあたる)とカフェテリア採用(4にあたる)で行動特性を、さらに最終選考(5にあたる)も加えることで性格適性と経営とのフィットを測る。

カフェテリア採用というのが、全17種類の選考から各適性に合った選考メニューを提示して、その中から好きな選考を選ぶ採用スタイルで、それぞれの選考は個性に富んでいる。

もう1つ事例を紹介

杉浦氏のモザイクワークがコンサルした企業での事例が紹介された。これはなかなかに面白かった。

企業情報

事業内容はリフォームを行っており、従業員数も200名にもぼり、過去最高売り上げを更新し続ける、リフォーム業界成長率No1。

なんと創業(2011年)からの成長率は333%という急成長企業である。

採用状況

リクナビ登録「0」のオンパレードで、採用力は「0」の状態。

※採用力=企業基礎力(規模・知名度)× 採用設計力
(企業基礎力が「0」のため、採用設計がどんなに良くても「0」になる。)

そもそもなぜ採用するのかをというと、事業モデルがシンプルであり、単純に人が増えた分だけ、売上が増えるという社員数と売上に完全に相関関係があるから。

建設業に分類されるため、不人気業種に該当し、さらに知名度もないので、二進も三進もいかない状況であったそうだ。

当初はターゲット人材を絞り込むために、社員に適性検査を受けさせて、フィットする適性を分析しようとしたそうだが、そもそもいろいろな背景の人が集まっており、全く統一性がなく、傾向も見つからないため分析を止めた。

ターゲット人材像をつかむために、いろいろな意見を出し合う中で、経営陣の妄想はすべて無視したというのは面白かった。

確かに、そうしないと進まないし、本来活躍する可能性のある人材を落とす可能性もあるし、そもそも集まらない。

とにかく社風に合う、溶け込める人材に絞っていった結果たどり着いた答えが、

必要なのは仲間になる「覚悟」のみ

とにかく、仲間意識が強い会社だったので、中に入れば一生懸命面倒を見るし、ついてこれれば成長できるという非常にシンプルな考え方。

その結果の選考方法は

連絡先(電話番号)と入社希望日(毎月入社可能)を入力したら、内定。但し、辞退不可。

社内からの反発すごそうだなと思ったら、案の定、社内から相当反発が出たそうだ。丁寧に説明し、納得してもらったと言っていた。今では非常に協力的に取り組んでもらっているそうだが、その社内を納得させるポイントを教えてほしかった。

採用結果は、即採用コースから3名内定し、他の導線からも決まり16名内定に至ったというから驚いた。

まとめ

今回のセミナーはかなり刺激になった。なかなか、採用方法を劇的に変化させるのは難しい。社内の理解を得るのが大変だし、何より経営陣を説得することが出来るかどうか。。。

しかも、成果が本当に上げられるのかが、なかなか見えてこない。かなり博打的要素が高く、リスクを測りずらい。定量化も難しいので、説得させる資料も用意しづらい。

それでも、他社事例を取り上げる等、状況証拠を積み上げていき、経営陣を納得させる説明をしなければ、本当に生き残れなくなるなと、危機感を感じた。

実際に、人が集まらずにつぶれるケースも増えてきている。

また、基本的に採用の考え方として、生産性に重きを置いている点が印象的だった。

応募してくる母集団は増やす必要がないというのが根底にある。

仮に15人採用しようと考えた時、15人採用したい人が応募し、15人とも入社してくれる。これが理想形である。

応募者が増えれば、それだけ対応する時間とコストがかかり、非効率だという考えに基づいている。

だからこそ、ターゲット人材を見極め、その学生に対して、効果的かつ効率的にアプローチをかける。ターゲット人材以外は応募してこなくていいし、むしろ応募されない方法を考える。

この辺は、伊賀泰代の「生産性」って本でも語られている。

どの仕事でも生産性が求められる中で、人事が求められないことなんてありえない。だからこそ、生産性を考えつつ、採用計画を作って行かなければいけないなとつくづく感じた。

ただ、先ずは、学生から見て、魅力的な会社にすることが出来ないと、今の社員からも逃げられてしまうので、そこから取り組んで行かないと。

杉浦氏に相談できればいいなぁとこのセミナーを受けて心底思いました。お金があるなら、コンサルに任せた方がいいことの方が多い。

株式会社モザイクワーク
モザイクワークは「採用」だけでは終わらない、人と組織が輝ける環境づくりをお手伝いします。

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