退職率の正しい見方!企業選びをするときに必見

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新卒にしろ、転職するにしろ、就職活動を進める中で、「長く働ける企業」に就職したいと思う人は多いのではないでしょうか。僕も新卒の頃や、転職したときはそう思っていました。環境が大きく変わることはストレスになりますし、退職金を多くもらうためにも多少の不満があったとしても定年まで働きたいと思うのは普通のことです。

また、社会人のキャリアを考えた場合でも、3~5年は同じ仕事を経験していないとスキルとして身についているか怪しいです。仕事の密度や個人の能力により必要な経験年数は変わるとは思いますが、企業の人事担当側としての判断基準は客観的数値に頼らざるを得ないので、未経験募集でもない限り、1~2年ほどの経験では書類選考に通らない可能性が非常に高くなります。

実際、僕の会社は中途採用は即戦力を求めているので、2年くらいの経験しかなければ書類で落としています。

なので、例え定年まで働きたいとは考えていなかったり、ステップアップの踏み台にしたい場合であっても、5年くらいは続けられる企業を選びたいものです。

長く働きたいと考えた時に気になるのが、退職率です。退職率が高いとそれだけ辞めている人が多いということのなので、企業として問題を抱えている場合が大いにあります。

しかし、それだけで会社を判断することは当然難しい為、退職率の正しい見方を説明します。

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退職率の計算方法

退職率といっても計算方法がいくつかあります。大きく分けると以下の2つです。

  1. 基準日から1年間における退職者数(定年退職者は含めない)/基準日の社員数
  2. 3年前に入社した社員で退職した人数/3年前に入社した社員数

2がいわゆる入社3年後退職率になります。実のところ、明確な計算式は定められていないため、ある程度調整することができます。

例えば、1については

  • 何年の退職率か明記しない
  • 基準日を1月1日にするか4月1日にするか全く違う日にするか

というところで、数値を調整できます。例えば、2015年は退職者がほぼいなかったが、2016年は退職者が多かった場合、2015年の退職率をそのまま掲載している場合があります。

また、直近の2016年のデータだとしても、2017年の1月に退職者が大量発生した場合、年度計算(4月1日基準)では退職率が上がってしまうため、1月1日を基準日として2016年の退職者数を計算します。

2についてはもっとあいまいです。

そもそも新卒入社人数が少ない会社は、統計数を確保できません。以下のような場合でどっちが良い会社だと思いますか?

  • 3年前に入社した社員数:2名 退職した社員数:1名 退職率:50%
  • 3年前に入社した社員数:500名 退職した社員数:250名 退職率:50%

なんとも言い難いですが、下の企業の方がヤバそうです。どんなにいい会社でも退職者はでますから。

上のような企業の場合、母数を確保するために前後年度に入社した社員を加えて計算することもできます。また、過去3年間に入社した社員数とその中の退職者数で計算する場合もあります。

企業としては、複数方法で計算し、一番値の低い退職率を公開します。

このため、退職率が低い会社は注意が必要です。計算方法を尋ねてみた方がいいでしょう。

退職率の目安

一般的には入社3年後の退職率については、30%と言われています。ただ、入社3年後退職率は採用人数が10名超えていないと全く参考になりません。

1年で見る退職率は20%を超えているとかなり危ないと僕は判断します。

当然定年退職者はカウントしていないので、現役社員が2割いなくなるということは、今後成長しようとする企業にとってかなりの痛手です。

当然、穴を埋めるために中途採用を行いますが、莫大なコストがかかってしまい、成長を鈍化させる要因となります。そのため、企業としては社員が定着して成長してくれた方がコスト的にもよいので、企業として問題を抱えている可能性が高いです。

そういう企業は大体、辞めたい奴は辞めればいいという考えの経営者が多く、社員を大切にしない傾向にあります。真に賢い経営者は社員の動かし方を知っています。少ないですが。。

企業によっては出口管理により、退職率を10%ぐらいに一定に保っているところもあります。これは、事業成長に必要な社員数を明確に管理している「できる企業」の特徴です。

社員の入れ替わりを図ることで、競争心を煽り、既得権を守ろうとする社員が少なくなるので企業が活性化します。

こういった企業は、求められる成果が大きく大変ではありますが、自身を成長させるためには良い環境と言えます。しかも、人事マネジメントとして後回しになりがちな、出口管理ができているということは、人事がしっかりしているということなので、適切な労働環境が整っている可能性も高くなります。

退職率について質問するときは合わせて、「人事で出口管理されていますか?」と質問することをオススメします。答えてくれる企業があれば、儲けものです。

5年分くらいみないとわからない

例え退職率が高くても、働きづらい企業とは限りません。たまたま、役員が独立してついていった社員が数名いた年だったのかもしれません。結婚して退職する人がたまたま多かっただけかもしれません。また、介護やUターンで退職する人がたまたま重なっただけかもしれません。

その為、できれば過去5年分くらいのデータはほしいところです。

その年がたまたま退職率が低いだけかもしれません。採用の担当者に過去の退職率を確認した方が良いでしょう。相当嫌がられるでしょうが。。。

出してくれない企業は何か理由があるんでしょうね。

退職率が一定の場合は、出口管理が行われている可能性が高いです。

他のデータと組み合わせて見よう

退職率だけでその企業を判断することは不可能です。以下のデータと組み合わせて見てみましょう。

社員数の推移

退職率が高くても社員数が年々増加していれば、社員が定着しているということです。

大量に採用しているということでもあるので、採用基準が低くなっています。その為必然的に辞める人も多くなります。また、最近の採用では、選考の短期間化が進んでおり、企業理解が進まないまま入社する人も多いので、大量に採用するとどうしても退職率が増加する傾向にあります。

ある程度の能力は持っていると自身のある人は、社員数が伸びている企業の退職率を気にする必要はありません。

売上の推移

売上が順調に伸びているのに、退職率20%を超えているということはほぼありませんが、その場合必ずからくりがあります。以下のどちらかです。

  • 社員を使い捨て、売上を伸ばしている
  • 極端な出口管理を行い、高成長を実現している

これは、かなりの賭けになるので、とりあえず採用担当者に退職率がなぜ高いのかを確認した方が良いでしょう。明確な答えが返ってこなければ、「使い捨て」ってことですから。

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