精索静脈瘤の手術は効果なし?いえ、僕は改善しました!

精索静脈瘤 手術の効果
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精索静脈瘤と診断されて、手術を受けるべきかどうか悩んでいませんか?

結論からいいますと、できるだけ早く手術を受けるべきです。

男性不妊の診断を受けて、男性不妊専門クリニックで精密検査を受けた僕は、精索静脈瘤とだということがわかりました。医師より手術をするかしないか問われ、悩みつつも手術を受けたところ、精子濃度が改善し、総精子数が最大で10倍に回復しました。

僕と同じように精索静脈瘤と診断され、手術を受けるかどうかで悩んでいる方に僕の結果と体験談から、すぐにでも手術を受けた方が良い理由を説明していきます。悩む暇があったら、行動です!

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精索静脈瘤とは?

精巣のすぐ近くを通る静脈(血液を心臓に戻す血管)の血液が逆流して、静脈の瘤(こぶ)ができてしまっている状態です。血液が逆流することで、精巣が温められ、精子を作る機能が低下してしまいます。

男性不妊症患者の40%が精索静脈瘤であり、一般の正常男性でも15%が精索静脈瘤を患っているとされています。

軽度であれば、影響も少なく自然妊娠ができないというわけではありません。痛みなどの症状がある人もいますが、ほとんどの人は自覚症状を感じずにいます。

僕はかなり重度の精索静脈瘤でしたが、自覚症状は全くありませんでした。

10~15歳くらいで発症することが多いとされています。

睾丸をよく観察すれば、血管が多いなとか、左右の大きさが違うとか、目視で確認できる異常があるのですが、人と比べたりしないので、気が付きません。

精索静脈瘤に効果的な手術の方法

精索静脈瘤の手術には3つの方法があります。

  1. 精索静脈高位結紮術
    ⇒血管をお腹の中の太いところでしばる
  2. 精索静脈低位結紮術
    ⇒血管を精巣のすぐ近くでしばる
  3. 腹腔鏡による精索静脈高位結紮術
    ⇒カメラをお腹の中に入れて、お腹の中の太いところで血管にクリップをかける

最も確実な方法は、精索静脈低位結紮術です。たくさんの細い血管を拡大鏡や顕微鏡を使ってしばらなければならない為、複雑で高度な技術が必要になります。幸い僕が通っているクリニックでは精索静脈低位結紮術を行うことができたので、安心して手術を受けることができました。

また、手術は1日で終わります。翌日に傷口の状態を見てもらいに受診する必要はありますが、入院する必要がありません。

精索静脈瘤の手術を早くした方が良い3つの理由

精索静脈瘤は進行性

精索静脈瘤の厄介な点は、進行性であることです。放置していると精巣の機能はどんどんダメージを受けます。これにより、造精子機能の低下、精子のDNA損傷、男性ホルモン分泌の低下といった問題が進行し、精子の量や質が著しく悪化します。

今は十分な量や質が確保できていても、1ヶ月後、1年後に自然妊娠ができるかどうかはわかりません。

事実、一人目の子どもを授かった後に二人目を授からない「二人目不妊」となる原因の78%は精索静脈瘤による進行性精巣障害という報告がなされています。

顕微授精でも精子の量と質が大切

手術を受けたとしても、自然妊娠ができるまでに改善するかどうかはわかりません。僕もかなり改善した方ですが、医師からはまだ自然妊娠は難しいといわれています。

自然妊娠が難しければ、人工授精、体外受精、顕微授精を選択肢として考える必要がありますが、どの方法を選択したとしても、妊娠の確率は精子の量と質に左右されます。

  • 人工授精⇒精子を注射器で子宮に入れる為、精子の運動率と濃度が高ければ確率が上がる
  • 体外受精、顕微授精⇒運動性の良い精子を選ぶ上で、数が多くないと選べない

ですので、少しでも精子の濃度を高め、直進運動率を上げておくことが、男性ができる妊娠の可能性を上げるためにできる唯一の方法なのです。

費用が保険適用されるようになった

精索静脈瘤の手術は2018年4月から健康保険が適用されるようになりました。その為、負担額は3割で済みます。実際に僕が手術でかかった費用は以下です。

手術前検査   4,190円
手術当日   84,810円
手術翌日      380円
合計     89,380円

クリニックによりますが、おおむね10万円前後といったところです。

僕の場合は、左右両方とも精索静脈瘤ができていたため、両側手術する必要がありましたが、片側だけの人は5万円前後で手術を受けることができます。

保険適用になる前は、30万円前後かかっていたことを考えると、本当に保険適用になって良かったと思います。精索静脈瘤の手術をする上で、その費用がネックでしたが、かなりハードルが下がったことになります。人工授精や体外受精は未だに、保険適用になっていません。

体外受精については、1回30万円以上かかり、妊娠率は良くても30%ほどといわれています。2回、3回は行うことになり、経済的にかなりの負担となります。

大きく回復すればタイミング療法での妊娠が可能になりますし、体外受精の場合でも妊娠の確率を上げることができるのであれば、経済的な面から考えても、先ずは精索静脈瘤の手術を受けてから妊活に励んだ方が効率的です。

僕の精索静脈瘤手術の効果と体験談

手術によって得られた効果

僕の精液検査の結果は以下の通りです。
12月2日精子状況
精索静脈瘤の手術を受けたのは10月10日だったのですが、術後の精液検査で総精子数が大きく改善していることがわかります。術前の9月22日の精子濃度は800万/mlでしたが、術後の11月10日の検査では2400万/mlに改善した為です。

ただ、運動率が35%と良くなかったため、運動精子数の数は思ったよりも増えていません。しかしながら、お盆休み明け(8月20日)の検査では、運動率が80%を超えていたこともあり、運動率についてはその日の体調次第で良くなることがわかっているのであまり気にしていません。

運動率が上がらない原因は仕事のストレスだと思っています。うん、間違いない!

僕自身は左側がかなり重度の精索静脈瘤でした。担当した医師も「こんなに大きな精索静脈瘤はみたことがない」と話しており、子どもの頃から患っていた可能性が高く、左側の精巣が成長しきれず、右側の半分もない大きさという状態でした。精索静脈瘤の手術では、比較的重度の精索静脈瘤を患っている方が、改善の度合いは大きいとされていますが、精巣が小さい為、改善するかどうかは手術をやってみないとわからないと説明されていました。

その為、この結果を見たときはすごく嬉しかったです。3ヶ月間は改善していく可能性が高い為、1ヶ月ごとに精液検査をして経過を見ていきます。

現状で人工授精が可能な数値になってきたので、このまま改善するようであれば、タイミング療法による自然妊娠の可能性も出てくるのではないかと期待しています。

術後3ヶ月後までの検査結果を以下の記事でまとめています。

精索静脈瘤手術後の経過公開!精子の状況比較してください!
男性不妊を治療している人であれば、他人の精液検査の結果って気になりませんか?僕は気になりますが、ネット上ではほとんど見つけられません。なので、精索静脈瘤の手術を受けて、男性不妊の治療中である僕の検査結果を余すところなく公開します。

手術の流れ

ここで、実際に手術の流れが気になっている人もいると思うので、簡単に説明します。実際に手術を受けるとなると、担当医師や看護師から詳しい説明を受けることになりますので、参考程度に読んでくださいね。

1.術前検査

手術日の4週間前までに術前の検査を行います。ここでの検査内容は以下の通りです。

  • 精液検査
  • 感染症検査

精液検査は術前の数値と術後の数値を比較するために実施します。感染症検査ではC型肝炎などの感染症がないかの確認を行います。ここで、もし何かしらの感染症が見つかった場合は手術を受けることができません。また、手術日に風邪などをひいてしまっても手術が受けられませんので、体調管理には十分な注意が必要です。

2.手術当日

当日の流れは

  1. 検尿
  2. エコー検査
  3. 除毛
  4. 消毒
  5. 麻酔注射
  6. 手術開始
  7. 手術終了

という順番で進んでいきます。

注意点として、手術中はトイレに行けませんので、朝にコーヒーなどのカフェインを含む飲み物は摂取しないように言われました。僕は朝にコーヒーは飲まなかったのですが、除毛の後にトイレに行きたくなって、ギリギリ済ますことができました。術中に尿意が来たらどうしようとビクビクせずに済んだので良かったです。

僕は両側を精索静脈瘤の手術を行ったので、手術時間は3時間ほどかかりました。また、部分麻酔でしたのでずっと意識あるのはけっこう辛かったです。両側を手術する場合は、左側から麻酔注射を打って、手術をして、右側に回り込んで右側も同様に麻酔注射を打って、手術を開始していました。

麻酔は1本で済まないんだと驚きました。順々にやっていくのでそれは時間かかるなぁと思いました。術後は痛み止めを飲み薬と座薬の2種類をもらって終了です。

3.手術翌日 傷口に確認

男性不妊の専門クリニックは数が少なく、地方に住んでいると近所にはないという場合がほとんどです。僕は福岡市にある天神つじクリニックで手術を受けましたが、手術翌日の朝に傷口を確認するために受診する必要があり、福岡に宿泊する必要がありました。

日帰り手術といっても、手術日当日はまともに動くことができませんし、医師からも安静にしているように言われます。車の運転は絶対にしてはいけません。

傷口に確認は異常がなければすぐに終わります。ただ、翌日もまともに動ける状態ではないので、仕事をしている人は2日連続で休みを取る必要があります。

金曜日に手術ができれば、土曜、日曜で体を休めることができるのでおススメですよ。

4.術後1週間で抜糸

手術から1週間経ってから傷口の糸をとります。抜糸するまでは、湯船につかることができません。抜糸後にようやく暖かいお風呂に入れるようになります。

このときまた、傷口の状態を見て、術後の感染症がないかなどを確認します。

抜糸が終わってようやく手術が終了したといえます。後は1ヶ月ごとに精液検査を行って経過を見ていきます。

精索静脈瘤手術中と手術後の痛みは?

精索静脈瘤に限らず、手術を受けるときに「痛くないのか?」ということは非常に気になることだと思います。はっきり言って、痛いです。

先ず、麻酔注射が痛いです。

そして、手術中も痛かったです。

麻酔をしているので、切られている痛みはもちろんありませんが、なんというか引っ張られている感覚があります。ずっと内臓をぐりぐりしているような感じがして、痛いという感覚とは違うようにも思えますが、気持ち悪かったです。ときどき、ズキンと痛むこともあり、1回「ビクっ!!」と飛び上がってしまい、看護師さんに押さえつけられました。

医師曰く、神経が集中しており、麻酔の効いていない神経に触れてしまった場合に痛みが走る場合があるそうです。これが、2時間以上続きます。

全身麻酔だとそういったことはないのでしょうが、部分麻酔だったため意識ははっきりありますし、手足も普通に動かせます。全身麻酔が良かったと術中はずっと思っていました。

冷静に考えると、全身麻酔だと治療費が高くなるし、入院の必要が出てくるからクリニックだとできないしで、部分麻酔で済むならその方が良いとわかるのですが・・・

冷静ではいられませんよね。

もう二度と精索静脈瘤の手術はしたくないですね。

術後の痛みについて

手術後当日はまともに歩けません。寝ていてもズキズキと痛みます。なるべく痛み止めを飲むようにしていました。余程痛ければ、我慢せずに座薬を使うことをおススメします。

翌日は、何とか動ける状態ではありましたが、痛かったです。少しずつ痛みは和らいでいきますが、皮膚を引っ張られるような痛みが1週間は続きます。走ったり、重いものを持ったりなどのお腹に力を入れるような動作はできないと思ってください。

術後3日目から仕事だったのですが、割と痛くて全然仕事に集中できませんでした。

1週間経って抜糸をした後は、重たいような痛みを感じていました。痛いというわけでありませんが、へその下、足の付け根のあたりに違和感をすごく感じます。しかも、この時期くらいから除毛で刈られた(除毛はバリカンで行われます)毛がチクチク刺さり、かなり気になります。

1ヶ月ほど経つとようやく痛みや違和感は落ち着き、毛も気にならなくなり普通に生活できるようになりました。

精索静脈瘤の手術の効果に個人差はないのか?

僕は確かに精索静脈瘤の手術を受けたことで、精子の状態は改善されました。しかしながら、これから受けようと悩んでいる方の中には、自分も同じように改善するのかと不安に感じている人もいるかと思います。

僕も手術を受ける前はそうでした。

事実として、精索静脈瘤は不妊の原因の一つの要因でしかない可能性もある為、他に原因がある場合、精索静脈瘤の手術だけで改善するとは限りません。

また、精索静脈瘤がどれだけ不妊に起因しているかも、はっきりしていません。

しかしながら、不妊の原因の一つであることは確かです。要因が複数あり、精索静脈瘤の影響度が10のうち1しかなかったとしても、1減らすことができます。もし精索静脈瘤の影響度は10だったら一気に改善するかもしれません。ギャンブルみたいですが、手術のリスクがかなり低くく、マイナスはほとんどないため、やらない理由にはならないと思っています。

精索静脈瘤は進行していきますし、加齢による精子の低下も同時に進んでいくので、少しでも早く手術を受けた方が良いのは間違いありません。

結論:精索静脈瘤手術で改善の可能性があるので、すぐにするべき!

精索静脈瘤の手術を受けても100%改善するとは言えないし、改善の度合いも人それぞれですが、やってみないとわかりません。仮に術後改善が見られなければ、別の原因が考えられるので次のステップに進むことができます。

今は保険適用になって、金額的に受けやすい手術になっています。

何度もいいますが、精索静脈瘤は進行型の病気です。今は乏精子症であっても、明日には無精子症になるかもしれません。精巣に精子がいる状態であれば顕微授精による妊娠の可能性もありますが、最悪の場合、精巣で精子が作られない状態となり、子どもを授かる可能性が絶たれてしまう可能性だってあるわけです。

精索静脈瘤は確実に不妊の原因の一つです。であれば、すぐにでも治療するべきですよ!

 

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