僕は、30歳で転職して年収が600万円から400万円に下がりました。
東京から福岡へ生活の拠点を移すためだったので、当時はしょうがないと考えていましたが、正直かなり苦労しています。
内定をもらった企業の中には、年収500万円以上を提示してくれたところもあったのですが、実家から通えることを理由に今の会社を選びました。
当時は400万円でも、どうにかなると思いましたが、軽率な判断だったと後悔しています。
生活に困らない最低の年収を明確にしていなかったのが、失敗の原因です。
何となくこれくらいの金額があれば大丈夫かなぁでは、大丈夫ではないんですよね。
特に都市圏から地方へ転職する場合、ほぼ確実に年収が下がるので、年収の最低水準を決めておかないと、僕みたいに後悔することになってしまいます。
自分の生活や今後のライフプランから、無理のない適正な年収の求め方を4ステップで紹介します。
適正年収算出① 今の支出を把握しよう
先ずはなにより、今の支出を把握することです。3か月間頑張って家計簿をつけてみましょう。
サンプルとして僕の5月~7月の家計簿を紹介します。
7月 | 6月 | 5月 | |
食費 | ¥54,980 | ¥68,567 | ¥75,580 |
日用品 | ¥2,354 | ¥17,943 | ¥37,438 |
趣味・娯楽 | ¥14,494 | ¥7,293 | ¥13,532 |
交際費 | ¥14,420 | ¥17,384 | ¥7,107 |
交通費 | ¥23,840 | ¥6,180 | ¥0 |
衣服・美容 | ¥3,100 | ¥16,230 | ¥0 |
健康・医療 | ¥1,870 | ¥10,490 | ¥8,430 |
自動車 | ¥6,229 | ¥0 | ¥6,643 |
教養・教育 | ¥4,652 | ¥1,500 | ¥0 |
水道・光熱費 | ¥18,583 | ¥9,119 | ¥16,939 |
通信費 | ¥17,103 | ¥16,799 | ¥23,859 |
住宅 | ¥53,000 | ¥53,000 | ¥53,000 |
税・社会保障 | ¥6,751 | ¥0 | ¥0 |
保険 | ¥5,713 | ¥5,713 | ¥5,713 |
その他 | ¥0 | ¥10,800 | ¥7,601 |
合計 | ¥227,089 | ¥241,018 | ¥255,842 |
月平均 241,316円
3か月間の平均額が1ヶ月で生活に必要な金額になります。
因みに、僕は家計簿をつけるのにマネーフォワードというアプリを使っています。
銀行口座やクレジットカードと連携ができるので、めちゃ便利です。
3か月も待てないという方で支払いをほぼクレジットカードで行っているという人は、クレジットカードの明細で十分なので、月平均どれくらい支払っているのかを見てみてください。
適正年収算出② 今後の生活に合わせて支出を見直し
大きく支出が見直せる項目は
- 住宅費(家賃)
- 保険料
- 通信費(携帯料金)
となります。
更に、食費や娯楽費などで使いすぎていると感じる項目は見直すべきです。
ただ、この辺の項目を抑えるのはなかなか続かないので極端な節約はおススメしません。
残業で帰りが遅くなると外食が多くなるし、ストレスが溜まると発散したいし、どうしてもお金かかるんですよね。
なので、この辺を減らさずに支出を抑えるのに一番効率がいいのが毎月支払っている固定費ということになります。
食費などの変動費は、本当に無駄だと思えるものを削減していけばいいですよ。
住宅費の見直し
東京から地方に転職する際は、ほとんどの場合、家賃は安くなります。
僕の場合は
東京 2LDK 15万円
↓
福岡 2LDK 5万円
UターンやIターンで転職を考えている方は、住む予定の地域の家賃相場をあらかじめ調べておくと良いです。
実家に住む場合でも、ローンや固定資産税を負担することがあると思いますので、月の住宅費の支払いについては、家族で話し合っておく必要があります。
保険料の見直し
収入額が変わるタイミングで保険料も是非見直してください。
僕個人としては、生命保険は必要のないものと考えていますので、収入が3分の1になったこともあり、生命保険は解約しました。
生命保険や医療保険の大手企業は、広告費を多額にかけて不安を煽っています。その広告費が保険料にも組み込まれている為、必然的に高くなります。
僕の場合は妻が看護師なので、僕が死んでも妻は収入面では困りません。(ただ、今は不妊治療のため仕事を辞めています)
また、35歳男性の死亡率(1年間で死ぬ確率)がどれくらいかというと
0.00068%(厚生労働省 平成29年簡易生命表より)
こんなことに月何万も払うのが馬鹿らしくなって、生命保険を止めました。
転職前 保険料(妻含む) 8万円
↓
転職後 保険料(妻含む) 5千円
一応、掛け捨ての医療保険は残しています。これもそろそろ止めようと考えていますが。これが月5千円くらいです。
余談ですが、福岡に住むようになって、自動車を購入したため、自動車保険に入っています。交通事故にあう確率は1年間で0.9%と比較的高いので加入しています。
僕は、福岡に住んで、1年半もたたずに後ろから衝突されて、車を廃車にしています。
地方では、車は必須のため必要な費用と考えてください。年間で6万円程払っています。
通信費の見直し
大手キャリアから格安SIMに乗り換えれば、スマホ代を安く抑えることができます。
格安SIMを使った方が月額料金は安くなりますが、まだ利用をためらう人は料金プランの見直しだけでも行うことをおススメします。
僕の場合は、僕と妻で別々にdocomoと契約していましたが、シェアパックにして2000円程安くなりました。
見直し前 およそ月14,000円
↓
見直し後 およそ月12,000円
自宅に光回線をつないでいる人は、引っ越しとなれば解約するか引っ越しの手続きが必要となりますので、これを期に安いキャリアに乗り換えることで安くなります。
因みに僕は、東京ではNURO光を使っていましたが、福岡にはサービス自体がない為、【So-net 光 (auひかり)】に変えました。
NURO光 およそ月6,100円
↓
So-net光(auひかり) およそ月4,300円
なぜ、So-net光(auひかり)にしたかというと5年間利用すると考えた場合に月の利用料が一番安かったからです。1Gbpsで通信しようと思ったら、キャッシュバックなども考えた結果、福岡で一番安いです。
適正年収算出③ 将来の支出を考えよう
20代、30代の方は、これからの人生で結婚や出産等お金のかかるイベントが控えています。
将来のライフプランを考えて、準備(貯金)する必要があります。収入の中から決まった額を貯金や投資(できれば投資)に回すべきなのです。
僕のライフプランと必要金額をサンプルとして紹介しますので、参考にしてください。
このグラフから50歳まで収支がマイナスということがわかります。今、資産が500万円程ありますが、全然足りません。これが僕の現実ですよ(泣)
表作成にあたってのポイント
- 僕のプロフィール:現在32歳、既婚、子供なし、不妊治療始めました
- 子どもは二人欲しい
- 不妊治療は顕微授精を2回はすると想定して100万円と仮定(甘め)
- 出産費用は50万円と仮定(厚生労働省「第78回社会保障審議会医療保険部会配布資料」より)
- 子どもの養育費は22歳までで約969万円(文部科学省「子供の学習費調査(平成26年度)」より)加えて、生活費は約1600万円(内閣府「平成21年度インターネットによる子育て費用に関する調査」より)合計の2769万円を22で割って、子ども一人当たりの1年間の支出を算出。
- 収入は昨年の源泉徴収額が約400万円
- 収入の増加はDODAが公開している年齢別平均収入より算出(※下記参照)
- 税金や年金などは年収の20%と概算
要するに、ざっくりとした概算です。子どもの数は必要に応じて変えてください。
※年収の増加について
転職サイトのDODAが公開している年齢別の平均年収を用いて、線形近似の傾きを1歳ごとの増加率として算出しています。
年齢が1歳増えるごとに、男性であれば11万9854円、女性であれば4万6455円増加しています。
独身の方であれば、結婚に向けて資産を増やしておくなどを想定しておいた方が良いです。
ライフプランに必要なお金については、日本FP協会のサイトが参考になります。
ここでは、大雑把に算出していますが、より詳しく知りたいと思った方は、ファイナンシャルプランナーに相談してみるのも手です。保険の見直し相談ということで、ライフプランについても詳しく算出してくれます。
適正年収算出④ 必要な年収を考えよう
これまでのステップで、毎月の支出から見直した結果、今後必要となる支出がわかりました。
そして、いくら資産に回さないといけないかもわかりました。
※サンプルで出した僕の家計簿は見直し後の支出になります。
ここで、家庭全体の収入を考えてみます。独身であったり、奥さんが専業主婦の場合であり、給料以外にほかに収入がなければ、考える必要はありません。
奥さんが仕事をしていたり、副業をしていたりする場合は、家庭全体の総収入額から支出を差し引いて、どのくらいの金額を自分が稼がなければならないかを導き出します。
当然U・Iターンの場合は奥さんも転職することになりますし、これを期に仕事を辞めるかもしれません。なので、転職後のことを家族とよく話し合って最終的な自分の年収を決めていきます。
仮に僕のサンプルで、すべての支出を給与で何とかしようとする場合は
5,000,000円
が最低必要年収となります。
理由として、現状資産が500万円あります。マイナスを500万円でカバーできるぎりぎりのラインが手取り400万円です。手取り400万円もらうには500万円の年収が必要になります。
ただ、500万円でも実際、結構きついと思います。想定しない支出も出ますので。
適正な年収で働こう【まとめ】
今の会社から逃げ出したいという気持ちは何も悪くありません。そう思わせた会社が悪いです。ただし、その気持ちが焦るばかりで安い給料でもいいからと転職すると後悔することになる可能性が高いということを心に留めておいてください。
転職する目的は人それぞれありますが、お金は非常に大切です。ですので、しっかりと自分の生活にはいくら必要なのかを考えて転職することを推奨します。
以下のステップを踏めば、いくら自分に必要かがわかります。
- 今の支出の把握
- 支出の見直し
- 将来の支出の見積もり
- 必要な年収の算出
必要な年収を基準に転職会社を探せばよいのです。
その基準で見つからなければ、改めて支出の中から削減できる項目を見つけて、支出を下げることを行ってください。
最低限必要な年収が分かっていないと、複数内定を得て、いざ会社を決めようと考えた時に判断を誤ってしまいますし、会社と交渉することもできません。
採用をしていて、無理に年収を上げようと交渉した結果、能力以上のことを求められてしまい、プレッシャーに耐え切れず早期に退職する人も見てきました。
僕は、逆に最低限必要な年収を見誤って、生活に苦しんでいます。お金って大切ですね。
転職に失敗したくない人は良く考えてくださいね。
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