僕は乏精子症と診断されて、妻と二人三脚で不妊治療に取り組んでいます。
不妊については夫婦の問題ですので、二人で取り組まなければ解決できない問題です。
ただ、妻には申し訳ない気持ちを感じているだけに、不妊で辛い思いをさせたくありません。
妻に男性不妊の治療にあたり、辛い思いをさせない僕なりの方法を紹介します。男性不妊と診断されて、僕と同じように妻に申し訳なさを感じている男性に読んでほしい記事です。
ズバリ、結論は以下の3つです。
- 男性不妊の現実を受け止める
- 治療を最優先に行動する
- 情報を妻と共有する
それでは詳しく解説します。
男性不妊の現実を受け止める
不妊の原因が自分にあることをしっかりと自覚し、治療を開始しなければ、奥さんがいくら頑張っても子どもを授かることはありません。
奥さんの焦りは苛立ちに変わり、必ず夫婦仲は悪くなります。
僕の妻も、僕が非協力的で男性不妊への自覚がなかったら「離婚していた」と言っています。
何が妻を不安にさせるのか?
不安に陥る一番の状態は、「原因がわからず、何をすればいいかわからない」という状態です。
精液検査は一回の検査が悪かったといって、症状を断定できません。1回目の検査が悪ければ、2~3回は検査を行います。日々の体調で大きく数値が変化するからです。
精液検査はおおむね月1回のペースで行いますので、3回やると3ヶ月かかります。それだけで、治療が3ヶ月遅れます。この良いのか良くないのかわからない期間がとても妻に精神的不安を与えるので、この期間は短ければ短い方がいいです。
精密検査であれば、一発で原因を断定することもできます。ただ、一部保険適用外もあるので、最初から精密検査を進めてくるクリニックはなく、先ずは精液検査から始めることが一般的です。
ですので、検査結果が良くなければ、すぐに男性不妊専門医を紹介してもらい精密検査を受けることで、原因特定までの期間が大幅に短縮されます。
医師によっては、様子をみることを進めてくる人もいますが、僕の経験からいうと全くの時間の無駄です。問題なかったとしても、その間に夫婦仲が悪くなっては本末転倒ですよね。
自分が問題を抱えている可能性があることを自覚し、すぐに行動に移ること
これしかありません。
不妊原因の半分は男性
先ず、不妊治療は女性の問題と思われがちですが、実は不妊治療のうち48%は男性に原因があるとされています。
夫婦の問題であり、決して他人ごとではないことを自覚しましょう。また、これだけの割合があるのだから、同じように不妊で悩んでいる男性は実はたくさんいます。
僕は、精液検査の結果が出るまでは、もしかしたらという気持ちはあったものの、自分が不妊の原因になっているなんて、実感は全くありませんでした。
検査によって乏精子症の発覚
僕の初診での検査結果は以下でした。
- 精液量 4.2ml
- 精子濃度 800(万/ml)
- 運動率 25%
- 高速直進運動率 13%
- 奇形率 63%
精子濃度と運動率が基準値を大きく下回っており、乏精子症と診断されました。
検査結果を医師から伝えられた後も、なかなか現実を受け止めることができずにいました。
精子の状態は、体調にかなり影響される為、日により大きく変わる場合があることは、事前に調べており知っていたので、たまたま悪かっただけで、次の検査では問題ないかもしれないと思い、「先ずは次の検査の結果を見てから判断しましょう」という医師の気休めを鵜呑みにし、1ヶ月後に再検査を受けることにしました。
再検査の結果は、運動率は改善していたものの、精子濃度は相変わらず基準値を下回っており、確実に乏精子症であり、自然妊娠は不可能ということがわかりました。
精密検査をし治療を行う必要があると、このときようやく実感し、男性不妊専門のクリニックを紹介してもらいました。その後は、その日のうちに電話予約し、1週間後に精密検査を受けました。
そこからは治療が進み、精索静脈瘤の手術を受けたことで、精子濃度が改善してきています。
初診後の妻の気持ち
初めて検査結果を聞いたときに隣に妻がいましたが、泣いていました。
「もう子どもできないかな?」「お金ものすごくかかるのかな?」とか不安でいっぱいだったようです。
妻には何も問題はなかったこともあり、僕はとても申し訳ない気持ちになりました。そして、かける言葉がみつかりませんでした。
クリニックからの帰り道は、二人で肩を落としながら帰りました。
どの夫婦でもそうだと思いますが、この事実を知ったときは落ち込みます。
言葉はいりません。悪いのは自分なので、速やかに治療という行動に移りましょう。
不妊治療を最優先に行動する
行動に移ったら、不妊治療を最優先にしましょう。
最近では土曜や日曜に診療を行っているクリニックもありますが、多くの場合、混んでいてなかなか予約がとれません。予約が取れないからと先送りにしていくと、妻のイライラが日毎に積みあがっていきます。
休みを取って、最速の日程でクリニックの予約をしましょう。
平日であれば、年休を取得しましょう。忙しくなかなか年休が取れない場合でも、何とかするしかありません。年休が取れれば、仕事よりも家庭を大事にしていることが妻に伝わり、喜んでもらえます。
僕は、今の職場(前もですが)は年休が取りづらいのですが、不妊治療に関わる日は必ず年休をとると上司に宣言しました。
そもそも年休は、申請があったら会社は断ることができないので、年休を取らせないようにする会社は、法令違反になります。労働基準監督署に駆け込むことをおススメします。
実際に僕は男性不妊クリニックに初めて予約したときは、平日に年休を取得して受診しました。この行動に妻はすごく喜んでくれました。
情報を妻と共有する
治療が始まると一人でクリニックに行くこともあります。また、妻と一緒に通っても、常に妻と一緒に医師の話を聞けるわけではありません。旦那さん一人でお願いしますという場合もあります。
そういう時に、妻はすっごく気にしています。
「どういうこと聞かれたのかなぁ」
「どんな検査うけているのかなぁ」
「どんな話をしているんだろう?」
とにかく気になっています。
こんな状態で戻ってきた旦那さんが何も言わなかったら、辛いんですよね。
聞きたいけど、聞きづらい。
「旦那さんがショックを受けているかもしれない。そっとしておいた方がいいのかなぁ」
そんな気持ちになります。そして、それが何度も続くと何も言わない旦那にイラついてきます。
ですので、自分から
「こんな検査をしたよ」
「先生がこんなこと言ってた」
「次はこんな検査をするよ」
と奥さんに話してあげましょう。治療の進捗がわかることで安心します。
僕はこれまで妻に対して日々の出来事や自分の気持ち、悩みを積極的に話すことをしてきませんでした。そのせいで、かなり妻に精神的なストレスを与えてしまいましたし、それが原因で離婚危機に陥り、東京に住めなくなって地元の福岡に戻りました。(この辺の詳細はプロフィールをご覧ください)
そんな経験をしているので、福岡に戻ってからは妻にはなんでも話すように心がけています。男性不妊では特に気を付けていて、細かな情報でも話すことをしています。
大切なことは自分だけのことじゃなくて夫婦のことという姿勢で不妊と向き合うことです。
まとめ
男性不妊ってまだまだ世間的な認知は低いので、なかなか理解されにくいです。
いざ当事者になるとすごくわかります。そして、自分以上に妻の方が辛いものなんですよ。
妻に何の異常もなくて、旦那さんの方に問題があるのに、近所や親戚には妻が悪いように言われたりとか普通にあります。
自分のことじゃないから、余計にもどかしい気持ちになってしまいます。なので、何もわからないとイライラしますし、積極的じゃない旦那さんの姿をみると殴ってやりたくもなります。
別にその気持ちを理解しないといけないとは僕は思いません。気持ちはわからなくもないですが。
女性の気持ちを男性が理解するなんて無理な話なんですよ。
ただ、不妊の問題というのは男性不妊でも女性不妊でも結局は夫婦の問題なんですよね。
どっちかが他人事になっていると一方は辛いし、問題は何も解決しません。
先ずは自分から積極的に取り組むことですね。
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