現在、妻は東京、僕は福岡という別居暮らしをしています。僕の転職のタイミングで妻がちょうど辞めることが出来ず、来年の3月まで東京で働き続けることになりました。
※無事退職し、2018年4月から一緒に暮らしています。
福岡に戻ってきたときは、すぐには働かず妊活に専念しようと考えています。結婚5年目にして子どもがいないことはお互いに気にしていましたし、ずっと働いてきた妻にゆっくり休んでほしいなと思ったからです。(僕は妻に収入で勝てたことがありません)
そこで、気になったのが出産時に発生する手当についてです。基本的に出産後も辞めないほうが育児休業給付金があるので、金銭的には有利です。そのことを妻が心配していて、せっかく10年近くも勤めてきたのに損している感が否めないようで、悶々としています。
なので、出産時にもらえる手当をまとめました。
1.出産育児一時金
出産育児一時金は健康保険に加入している人または加入している人の扶養家族が出産した時に、健康保険から子ども1人につき42万円が支給されます。
会社の健康保険に加入している人は、会社の健康保険組合から支給されます。会社に勤めていない人などで国民健康保険に加入している人は各自治体より支給されます。
つまり、健康保険に加入(扶養家族としても)しておけば支給を受ける権利を得ることになりますので、退職した後に夫の扶養に入っても、任意継続にしても、国民健康保険に加入しても支給を受けることができます。
当然、2ヵ所からの重複受給はできませんよ。
支給を受ける条件
- 健康保険に加入していること(扶養でも可)
- 妊娠4ヶ月(85日)以上で出産
以上の条件を満たせば、一児につき42万円が「出産育児一時金」として支給されます。因みに、早産、流産、死産、人工妊娠中絶のいずれであっても支給対象です。
ただし、妊娠22週未満での出産や、産科医療保障制度の未加入の医療機関における出産の場合は40万4000円です。
双子の場合は、84万円もらえます。
申請期間
出産した日から2年以内に申請手続きを行えば、出産育児一時金を受給することができます。
申請先は出産したときに加入していた健康保険組合となります。
3つの申請方法
直接支払制度
保険組合が出産する医療機関に直接支払う制度です。基本的な手続きを医療機関が行ってくる申請方法です。手間が少なくて済みます。
受取代理制度
出産する医療機関が「直接支払制度」を導入していない場合に利用されます。事前に健康保険組合に申請することで、医療機関に出産育児一時金が支払われます。
産後申請方式
いったん出産費用を支払った後に、指定した口座に出産育児一時金を振り込んでもらう方法です。
どの方法でも受け取れる金額は変わりません。
出産する病院によっては指定されている場合もあるので、あらかじめ病院に確認しておいた方が確実ですね。
2.出産手当金
出産手当金とは、健康保険の被保険者が出産のために会社を休んで給料が支払われない場合に支給される手当金です。健康保険組合より支給されます。
支給を受ける条件
- 被保険者期間が継続して1年以上であること
- 産休を取得して会社には在籍している
- 勤め先の健康保険に加入している
上記の通りなので、国民健康保険に加入している人や、夫の扶養となっている人、自営業の人などは支給対象となりません。
つまりは、1年以上会社に在籍して、会社に勤めたまま産休を取得する人にしか支給されないということです。
支給額
【支給開始日以前の継続した12ヶ月間の各月の標準報酬月額を平均した額】÷ 30 × 3分の2 × 支給日数
以上の計算で支給されます。
支給対象期間が出産日の42日前~出産後56日までの期間のため、予定通りの出産日を迎えれば98日間となります。
ただ、1年以内に消滅してしまう有給が残っている場合は、有給を使った方がいいかもしれません。有給は満額もらえるので。
理想は、産前42日より前に有給を消化して、42日前から手当をもらうことですが・・・。
退職後にもらえる出産手当金
以下の条件を満たせば、退職後でも出産手当金を受給することができます。
- 退職日まで被保険者期間が1年以上
- 産前の42日以内に退職している
- 退職日に勤務していない
- 退職する前に出産手当金を受給している、または支給条件を満たしている
要するに産休に入ってから辞める場合はもらえますよということです。妊活のために辞める場合にはもらえません。
3.傷病手当金
傷病手当金とは、行基休業中に本人や家族の生活を保障するために、加入している健康保険からお金が支給される制度です。
実は、妊娠悪阻(つわり)や切迫早産、妊娠高血圧症候群などの妊娠による体調不良で、入院や自宅療養している場合も、傷病手当金の対象となります。
支給を受ける条件
- 被保険者期間が1年以上ある
- 業務外による病気やけがの療養のための休業である
- 就業不可と医師に診断されている
- 連続して4日以上休んでいる
- 休業した期間について給与の支払いがない
以上の項目をすべて満たしている必要があります。
出産手当金支給期間と重複する場合には、傷病手当金の支給額が多い場合は出産手当金に加え、差額が支給されます。
退職後にもらえる傷病手当金
以下の条件を満たせば、退職後でも傷病手当金を受給することが出来ます。
- 退職日まで被保険者期間が1年以上
- 退職日に勤務していない
- 退職する前に出産手当金を受給している、または支給条件を満たしている
基本的な考え方は出産手当金と同じです。退職する前に支給を受けていれば、最大1年6ヶ月継続して受給することができます。
妊活で退職する場合はもらえません。ギリギリ妊娠してつわりが酷くて休みますってことだといけるかな?
6.育児休業給付金
育児休業給付金は出産手当金の支給が終わった産後56日後から支給を受けることができます。。平成29年10月より最大で子どもが2歳に達するまで受給できます。
支給を受ける条件
- 育児休業を開始した日前2年間に被保険者期間が12か月以上
- 育児休業期間中の1ヵ月ごとに、休業開始前の1ヵ月あたりの賃金の8割以上の賃金が支払われていない
- 勤務日数が各支給単位期間(1か月ごとの期間)ごとに10日(10日を超える場合にあっては、就業時間が80時間)以下であること。(休業終了日が含まれる支給単位期間は、勤務日数が10日(10日を超える場合にあっては、就業時間が80時間)以下であるとともに、休業日が1日以上あること。)
育児休業給付金は雇用保険から支給されます。そのため、雇用保険に加入していないと支給されません。すなわち、会社に勤めていないと支給されないということです。
また、育児休業終了後に職場復帰することが前提条件となります。ただ、人の気持ちは変わりやすいものなので、育児休業終了間近にやっぱり子どもが心配なので退職しますとなっても誰も文句言えません。
育児休業について思うところ
会社の労務を担当している立場として、育児休業については思うところがあります。
よく育児休業をもらうからには、復帰後「御奉公のために1年は働かないと」とか、「会社に迷惑かかるから育児休業取らずに辞めよう」とか考える人がいますが、そんなこと1ミリも思わなくていいです。
育児休業を社員がとっても、会社にデメリットってほぼないからです。先ず、給与は支給しません。また、社会保険料が免除されため払わなくて済みます。育児休暇中に会社が払うものは何もありません。むしろ、国に申請すれば補助がもらえます。また、辞めるにしろ、育児休業するにしろ、引継ぎは必要になるのでどっちもかかる労力は同じです。
ただ、復帰すると思って準備していたのに、復帰しないとなると調整が大変になるので、復帰の1ヶ月前には退職の意思を伝えるようにしてください。
唯一、会社の金銭的負担になるとすると退職金ですかね。規程によりますが、ほとんどの企業で、育児休業中の在籍期間を退職金算定期間に含む場合が多いので、仮に最大2年となると、そこそこ退職金の額が上がります。まぁ、しょうがないですね。
7.失業給付金
番外編的にですが、出産を期に退職を考えている方は、失業給付金についても気にしてください。
失業給付金は仕事を辞めた人が、仕事を見つけるまでの期間に雇用保険から支給を受けることが出来ます。
ただ、産前産後や育児中は働くことが出来ないため、受給できません。しかし、ハローワークで手続きを行うと失業給付を受けられる権利が1年から4年に延ばすことができます。
これにより、子どもを保育所に入れるタイミングで就職活動を行う場合に失業給付金を受け取れるようになります。
退職される場合はハローワークの手続きを忘れずに行っておきましょう。
まとめ
妊活で会社を辞めることになると、出産育児一時金は確実にもらえるが、それ以外はもらえないことがわかりました。(失業給付除く)
失業給付金の手続きは忘れずにしっかりと行わなくてはいけません。
後は、自治体の祝い金に期待するくらいかな。ここはもっと調べてみます。
妊活での退職は金銭的には不利な現状ですが、働き続けて子どもが出来なければ本末転倒なので、思い切って辞める選択肢は正しいと思っています。
もっと子どもを作りやすい世の中になればいいですね。
コメント